コントラスト

INput ⇔ OUTput

天使の卵

 
 
 村山由佳著の小説。ナツイチという集英社の文庫特集で来年映画化されるという
ことで購入。ワンコインでおつりが来るくらいのお手ごろな値段で、移動中やちょ
っとした空き時間に読むには中々のものです。
 
 自分の夢に焦り、人と違うことを意識する浪人1年生が、恋人の姉に恋をしてし
まう恋愛物語。
 精神不安定な父をもつ主人公。ふったばかりの恋人のお姉さんに恋をしてしまう。
設定は黒い感じですが、主人公はものすごい純愛を描いています。周りの人の死を
乗り越えなければいけない主人公の、自分という存在のあり方と夢への焦燥感が伝
わってくる。恋の行方は儚く終わってしまい、切なさを残して現実に戻されてしま
うような結末。
 
 久しぶりにこんな恋愛小説を読んだ。こうゆうのを見たり読んだりするたびに、
「おれって淋しいな〜」と思ってしまう。だからあまり読まないようにと思ってい
たけど、気になって読んでしまいました。結果、淋しさが残ってるんですよね(´ー`)
恋人いいなーー!!って思ってるんですけど、最近人(異性)をこの主人公のように
好きになったことってないな〜と思いました。なんか、恋人って存在がほしいだけ
みたく感じてしまってなんとも言い切れない感情が出てきました。
やっぱり、淋しい人間になったなーとつくづく思う……人間的に好きな人は男女問
わず多いですが、恋という字に当てはめて好きになる事ってのは、なかったな〜…
ある意味冷めた奴なのかも………
 って段々悲観的になってくるからおしまいにしよう(;´д⊂)
 
 ちなみに作品自体は面白いです。ある意味、電車男な感じのする作品です。